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自分の力だけで本を書き上げ、出版に漕ぎつけるだけでも素晴らしい偉業です。しかし、その過程でついおざなりになりがちなのが、本の名刺ともいうべき「著者プロフィール」です。
商業出版の場合、著者プロフィールはプロの編集者が作成するケースも多いです。自費出版では自分で自分のプロフ原稿を作成しなければいけません。自分のことゆえに、客観性を欠いたり、謙遜しすぎたり、または盛りすぎるという失敗を犯しがち。
本記事では、読者に響くプロフィールの書き方から、本のテーマ別アレンジ、そして基本的なルールまでを解説します。
自分の力だけで本を書き上げ、本を作るだけでもタスクが多すぎます。そんな自費出版にチャレンジするだけでも素晴らしいですが、最後におざなりになりがちなのが著者プロフィールです。
しかし、著者プロフィールは、読者が本を購入したり興味を持つ上で、**「誰が書いたか」**を知るためのとても大事な情報です。
「誰が書いたか」という情報は、読者にとって以下の3つの強力な動機付けを与えることができます。
専門的な内容の本であれば、著者がその道に精通したプロフィールであることは必須です。また、ビジネス書であれば、実際に何かを実行した、結果を出した、など、その事実や実績を明記する必要があります。
人柄やその人の歩んできた人生、体験、経験などに対して共感することで、本の内容とリンクすることがあります。子育て、ライフスタイル、自己啓発、旅行記、ビジネスハック、エッセイなどのジャンルでは、共感が読者へ強く響き、本に興味を持つきっかけとなります。
実用書や実務書などは、奇抜な面白さより**「再現性」**が重視されます。ダイエット法や節約術などは、本の内容も大事ですが、読者が「この人と同じように自分も成功できるかもしれない」という未来への**期待**を抱けるかが大事になります。
自費出版で自分のプロフィールを書くときも、このルールに沿って書くことで失敗せずに済みます。ですが、本のテーマによって著者プロフィールのニュアンスや書き方、雰囲気が違うのも事実です。では、具体的にどのようにアレンジすればいいのでしょうか?
基本的な書き方ルールは以下の通りです。
ここからは、本のテーマ別にプロフィールの実例と、アレンジのポイントを紹介します。これは最もベーシックなアレンジですので、それぞれ工夫を凝らして個性を発揮するプロフィールを目指しましょう。
【実例】ぴぷママ。
岩手県出身。3児の母(1歳・5歳・9歳)。ブログ『3人こそだて日記』運営。SNSフォロワー10万人。
子育てと家事に追われる日々を見直し、「がんばりすぎない暮らし」を模索。「片付けてもすぐに散らかる」悩みと向き合い、日々の工夫を発信。ママたちが共感できる日常を、笑いと皮肉を交えて綴っている。本書が初の著書。
ーポイント:共感を得るリアリティ
ライフスタイルなどの実用書の場合は、読者が「この人なら信用できる」「私と似てるかも」と思えるように、日常や悩み、ライフステージなどを含めて**“背景のリアル”**を伝えるのがカギです。
【実例】三日月ね子
東京都在住。大学卒業後、会社勤めをしながらnote『猫と月』を更新。日々の気づき、旅、孤独、家族、ささやかな幸福をテーマに、静かな文章で共感を集める。三毛猫と二人暮らし。猫の名前は三日月(みかづき)。「○○新人賞」受賞(2020年)
ーポイント:パーソナリティが見え隠れ
エッセイや小説の場合、作品の内容そのものが重視されるため、著者の属性などはそれほど重要ではありません。少しくらいミステリアスでもOK。小説・エッセイでは、書き手の**パーソナリティがにじむ短い一文**の方が印象に残ります。受賞歴があれば入れるべきですが、なくても“文章で語れる人”であることが伝われば十分です。
【実例】山田太郎
2000年生まれ。東京都出身。株式会社〇〇代表取締役。△△大学卒業後、外資系コンサルティングファーム、国内事業会社を経て独立。戦略・組織開発・人材育成の分野で、大手企業や地方自治体との多様なプロジェクトに携わる。理論と実務を橋渡しする解説に定評があり、講演・研修も多数。「誰もが自分の仕事に誇りを持てる会社づくり」がミッション。著書に『外資系新入社員の1on1教科書』など。
ーポイント:実績と成果が重視される
ビジネス書では「何をしてきたか」がまず問われます。ポジションや実績は、未来のビジョンの説得力を裏打ちする**“証拠”**になります。
【実例】佐藤賢一
2000年生まれ。大阪府出身。イラストレーター/コンテンツクリエーター。○○芸術大学でグラフィックデザインを学び、デザイン会社勤務を経て渡米。アメリカと日本のカルチャーを融合させたポップアート作品をSNSで発信。着物を着てアクションペインティングする姿から「Shiriken Man」という異名を持つ。趣味は食べること。特に大福が好物。2020年、日本文化庁○○賞受賞。
ーポイント:世界観と第三者からの評価
クリエイティブの場合も、どのような活動をして、どんな評価を受けたかが重要になります。活動履歴に加え**「世界観やテーマ」**をにじませると、作品に対する興味を引き出せます。メディア掲載歴や受賞歴があるなら必ず明記を。