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アート本を作るとき、立ちはだかるのが絵画などの作品画像を「掲載したいけど、どうしたらいい?」という疑問。
この疑問をクリアにしないと、せっかくの自費出版が、後で大きなトラブルに発展してしまう可能性があります。まずは、根本的な「著作権」から、分かりやすくひも解いていきましょう。
著作権(Copyright)とは、「作品を作った人(著作者)の努力と才能を保護するための権利」です。
絵画、小説、音楽、写真など、創作的な表現全てが対象になります。
この権利があることで、他人が勝手にコピーしたり、利用したりするのを防ぎ、著作者は作品から報酬を得ることができます。
アート作品の場合、著作権は通常、著作者が亡くなった後もしばらく存続するのがポイントです。
自費出版で本を作りたい人にとって、著作権のクリアはもちろん、一番気がかりなのは使用料です。
簡単にいうと
ということになります。ただし、一部例外もあるので、順を追って説明してきます。
著作権には必ず期限があります。この期限が過ぎて、著作権が消滅した作品は、「パブリックドメイン(Public Domain, PD)」となります。
パブリックドメインになった作品は、人類共通の財産となり、原則として誰でも無料で、許可なく自由に利用(商業利用も含む)できるようになるのです。
著作権が切れるまでの期間は、国や時代によってルールが異なります。
| 国 | 著作権保護期間(目安) |
|---|---|
| 日本 | 著作者の死後70年 |
| アメリカ合衆国 | 作品が公開された時期や形式で異なりますが、多くの場合は「死後70年」または「公開から95年」などです。 |
| EU諸国 | 著作者の死後70年 |
アート作品がパブリックドメインになっているかどうかは、この「**死後70年**」というルールが基準になります。
日本は2018年まで著作権が「死後50年」だったので、海外ではパブリックドメインではないが、日本ではパブリックドメインとなっている作品があります。
アート本制作の大きな助けとなる、著作権が切れてパブリックドメインになっている主要な作家の例をご紹介します。
| 著作権が切れている作家(作品がPD) | 没年(死後70年以上経過) |
|---|---|
| フィンセント・ファン・ゴッホ | 1890年 |
| クロード・モネ | 1926年 |
| アンリ・マティス | 1954年 |
| レオナルド・ダ・ヴィンチ | 1519年 |
フィンセント・ファン・ゴッホ「ひまわり」1889〜1890年、油彩/キャンバス フィラデルフィア美術館
クロード・モネ〈睡蓮〉1906年、油彩/キャンバス、89.9×94.1 シカゴ美術館
アンリ・マティス〈Nu assis, fond bleu〉油彩/キャンバス、46×38.1
レオナルド・ダ・ヴィンチ〈モナ・リザ〉 1503〜1506年 油彩/板 ルーブル美術館
© 2018 GrandPalaisRmn (musée du Louvre) / Michel Urtado
逆に、まだ著作権が有効で、商業利用には原則として許可が必要な作家もいます。
| 著作権がまだ切れていない作家 | 没年(死後70年未満) |
|---|---|
| パブロ・ピカソ | 1973年 |
| アンディ・ウォーホル | 1987年 |
| キース・ヘリング | 1990年 |
| ジャン=ミシェル・バスキア | 1988年 |
これらの作家の作品を本に掲載したい場合は、日本では日本美術著作権協会(JASPAR)に連絡を取り、必ず**利用許可(ライセンス)を得て、利用料を支払う**必要があります。
「パブリックドメインだから、自由に使える!」
これは半分正解で、半分間違いです。ここが一番難しいポイントです。
【大原則】
たとえゴッホの絵(PD作品)であっても、美術館が所有し、プロが撮影した「高画質の画像データ」には、美術館独自の利用規約が存在するのです。
ブログやSNSでは、パブリックドメインはもちろん著作権が切れていないアート作品も当たり前のようにアップされています。
報道目的や、適切な「引用」の範囲内であれば許容されるケースが多いです。
商業出版・自費出版:商用利用
著作権が切れていない作品を許可なく使えば、間違いなく著作権侵害となり、損害賠償を求められるリスクがあります。
自費出版で本を作りたい人は、商用利用になるため著作権の確認はもちろん、どこからその画像データを入手したか、入手先の**利用規約をしっかり確認する**必要があります。